男子トイレの恋人

【R18】裕太と観月の秘密の逢瀬。なんでも大丈夫な方向け。今までアップした話とは繋がりありません。全3話 [ 2話目:4,043文字/2022-09-07 ]

2.

 観月さんってすごく親切で面倒見のいい人だと思ってたけど、親切っていうよりサービス精神旺盛なのかもしれない。

 今日も待ち合わせたトイレの個室。俺は正面からトンと胸を押されて便座に座る。観月さんはいつものパジャマ姿で、うつむいてはにかむようにかわいく笑うと、おもむろにズボンを脱いでトイレのドアのフックに掛けた。
「……!?」
 長めの上着の裾で腰まで隠れてるものの、俺は違和感に目を凝らす。視線の先に気づいたのか、観月さんは満足げに、でもやっぱりちょっと恥ずかしそうに笑った。
「裕太君、ボクにこういうの穿いてほしいって言ってたでしょう」
 細い指先がパジャマの上着の裾をめくると、現れたのはフリルとレースのついた純白のパンティだった。女性ものみたいなデザインで、パンツっていうよりパンティだ。股上は浅くて、観月さんの少ない陰毛ぎりぎりのきわどいところまで下腹部が見えてる。男のパンツは基本的にお腹が隠れてるから、観月さんがそこを露出させてるのがものすごくセクシーに見えた。その下には当然……観月さんのおちんちんがあるわけだが、パンツの中にコンパクトにまるっと収まった姿がなんだかかわいい。レースっぽいものに包まれた柔らかそうなものって、なんかよくわかんないけどエッチに見える。他の男のちんこには絶対こんな感想抱かないと思う。
 俺はこのパンツをネットで見たことがあった。クロスジェンダーっていったかな、こういうデザインだけど男性用で、それで観月さんが穿いてるとこ見たいって──言ったかどうかは忘れたけど、観月さんが俺の考えを見透かして汲み取ってるなんてよくあることだ。
「……変、ですか?」
 観月さんを不安にさせてしまった。慌てて首を横に振る。
「すごくかわいいですっ!!」
 実際すごく似合ってるっていうか、観月さんだな〜っていう納得感がある。単なる俺のイメージかもしれないが。
「んふっ、よかった♡」
 たくらんでる笑みじゃなくて、単純に嬉しくて笑うときの観月さんってすごく〝可憐〟って印象だ。観月さんを知ってから、頭の片隅にあるだけで使うことのなかった言葉が『こういうことなのかな』って実感を帯びてくことも増えた。
 観月さんはそのまま、パンツを穿いたままで俺の腿の上にまたがる。
「わわっ」
 白く輝く太もも、パジャマの裾から覗く股間、どこ見たらいいのかわかんなくて正面見たら観月さんとばっちり目が合って、一気に顔が熱くなった。
 観月さんは目を細めて妖艶に笑うと、腰を前に突き出した。柔らかな膨らみが当たる、俺のはズボンの中でもうガチガチだ。
「裕太君、ボクのパンツ見て興奮してるんですか?」
「そりゃそうですよっ!!」
 観月さんは首を傾げてもの珍しそうに言うけど、こっちとしたら当たり前としか。自分の魅力をわかってないひとじゃないと思うんだけど。……案外わかってないのか?
「そんなことで、部活の着替えのとき困りませんか?」
「あんまり見ないようにしてるんで平気っす……」
 それもあるし、着替えのときは後ろ向いてるし普段はこんなパンツじゃないし。
「ぁうっ!」
 きれいな形の爪が、俺の勃起ちんこをズボン越しに弾く。そんなに痛かったわけじゃないけど、驚いて声が出てしまった。
「ふふっ、本当にかわいいですね、裕太君は……」
 観月さんの手が俺のズボンとパンツをずり下ろし、上を向いたちんこを引っ張り出す。
「っ、み、観月さんっ!」
 ちょっと冷たい、細い指先がそれに触れるだけでドギマギしてしまう。観月さんは涼しげな表情でふふっと笑うと、艶やかな唇から少しだけ舌を覗かせて下を向いて、俺のちんこの上にたっぷりとよだれを垂らした。
「ッッ!!」
 透明な銀の糸がとろとろと、亀頭の先を濡らして垂れていく。その行動に、感触に、俺はめちゃくちゃ興奮して感じてた。
 白くてきれいな右手の指が、俺のちんこをやわやわ撫でながら唾液を塗り広げて、ぎゅうと竿を握った。
「ッあっ!」
「裕太君のおちんぽ、ピクピクしてる」
 観月さんは嬉しそうに、ちょっとワルそうに笑うと、下を向いてさらに唾液を垂らし、滑りのよくなった手のなかで俺のちんこを上下にしごいた。
「くっ、あぁッ! っ…!」
 にちゃにちゃ、シコシコ、観月さんの手と俺のちんこがやらしい音を立てる。やばい、こんなのすぐイってしまう。
「みづきっ、さ…ッ」
「気持ちいい?」
「はぁッ…」
 そんなの気持ちいいに決まってるけど、感触だけじゃなくて観月さんが俺に〝してくれてる〟って感覚がやばい。だって観月さん、汚いの嫌いなのに他人のちんこなんて握って……観月さんも、そうやって自分ですることあるのかな。よだれ垂らして、竿を握って──
「んふふっ♡ 裕太君の先っぽ、我慢汁でトロトロですよ。いやらしい」
 どっちがやらしいっていうんだろう。かわいいパンツの中で、観月さんのだって斜め上を向いて押さえつけられてる形が浮いてるのに。裸よりかえってエロいだろって思うけど、言葉にはできなかった。遠慮とかってより、もっと物理的な理由で。
「ぅあっ! ぁっ……くぅッ!」
 観月さん、自分でもこんな風に先っぽぐちょぐちょにしていじるのかな。細い指の先で割れ目をなぞって、我慢汁絡め取って──
「イきそうですか? 裕太君」
「っく、あぁあッ…」
 あぁ、イク、出る──!!
 の、つもりだったけど、それは訪れなかった。
「だーめ♡」
「うぅっ…」
 根もとをぎゅうと堰き止められて、寸止めされてしまった。
「いけませんね裕太君、ひとりで気持ちよくなってばかりじゃ」
「はい……すみません……っっ」
 イきたいし、悔しいような気持ちもあるけど、観月さんに見下ろされて笑われてるとやっぱりめちゃくちゃ興奮してしまう。
 言い分はそのとおりだと思うけど、もとはといえば観月さんが一方的にしてきたんじゃないか。いや、俺も積極的になるべきだったのか? たとえば強引にキスするとか、パジャマの前を豪快にちぎって開けるとか……? それは怒られるんじゃないか? やっぱり俺も、観月さんのパンツの中のモノに触ってみるとか──適度な積極的がわからない。だって正直、こうなるまでにあんまりステップ踏んでないっていうか、俺のエロの知識なんてちょっとエロい少年漫画と姉貴の持ってたBLくらいのもんだ。
「んっふふっ…」
 観月さんの目が細くなって、月みたいに弧を描いて笑う。俺はちょっとだけ前のめりになったがやっぱり手は出せなくて、観月さんの指先がひとつ、またひとつとパジャマの上着のボタンを開けていくのを凝視していた。首から胸もと、赤澤部長あたりなら日常的に開けてるくらいの露出なのに異様に色っぽくて、目が釘付けになってしまう。
 一番下までボタンを外すと、自然と布地がはだけてピンク色が微かに覗く。俺の両手は吸い寄せられるように、観月さんの胸を鷲掴むように撫でていた。
「はっ、んっ…」
 掴むってほどのボリュームはもちろんないけど、意外と〝胸〟って認識できるものはあって、夢中で揉んで、撫でて、ツンと上を向いたエロい乳首をいじった。
「んんっ♡」
 突き出された胸に顔を埋めるように摺り寄せて、細い背中に腕を回して、観月さんの甘い香りを思いきり吸い込む。甘い……? 何の香りってよくわかんないけど、観月さんはいつも清潔ないいにおいがしてる。花の香りって甘いんだって、観月さんのそばにいるようになってから知ったんだ。今日はすごく淡い、ミルクみたいな……肌のにおい?
 すー、はー、深呼吸しながらこうしてくっついてると、セックス的な快感とはまた違う気持ちよさを感じる。安心するって状況じゃないはずなんだけど、本当に観月さんのこと好きだなって妙にしみじみ思う。
「んふっ♡ 手伝って……♡」
 観月さんは俺の左の手首を掴むと、背中からずり下ろしてお尻に持っていった。パンツはTバックっぽく後ろが空いてるようで、俺は滑らかで柔らかな感触を素直に手指で味わう。
 観月さんは挑発的に笑って腰を上げると、俺のちんこの根もとを手で支え、パンツの後ろをずらして小さな体の中に受け挿れていった。
「あッ、んんっ、ん…ッ♡」
「っっ!」
 俺はただ観月さんの尻の肉を掴んでた。きっとちょっとは手伝いになっただろう……たぶん。
「んっふふ…♡」
 俺のちんこ突っ込んで観月さんが満足げに笑ってる、なんかもうそれだけでいいような気がした。このあったかい観月さんの中でどろどろになりたい。
「はっ…」
 撫で上げた内ももは真っ白で柔らかくて、体勢が許すなら噛みついて唇や舌で味わいたかった。
「ぁっ、んンッ♡」
 パンツの中で主張してるやらしい形をなぞると、先っぽの部分がじっとり濡れてて、布越しにもぬるぬるしてるのがわかる。
「観月さん、すごい……」
「ぁんっ、あっ、そこばかりッ、いじめないで…♡」
 手の感触をしっかり伝えるようにすりすり撫でると、観月さんの体がびく、びくんって震えて俺のちんこを刺激する。ちんこも心臓も爆発しそうなのに、俺は妙に強気で、空いてる右手を胸に持っていく。
「じゃあこっち」
「んンんッ♡」
 乳首を摘んで捏ね回すと中がきゅんきゅん締まって、どっちがいじめられてるのかわからない。
 そうして今日は対面座位で、じゃれ合いながら愛し合った。

 観月さんはいろんな顔をする。ちょっとびっくりするような行動だって素敵だと思わせる、どこまでも魅力的なひと。俺が観月さんを好きになる理由なんていくらでもあった。好きにならないわけなかったくらいに思ってるけど、観月さんはどうして俺を好きになってくれたんだろう。最初はチームの戦力としてだったのはわかってる、それだって充分だったけど、そこからこうなるくらいに俺のこと好きになってくれたのはなぜだろう。
 好き……こんなことしてるんだし、そう言ってくれた言葉は嘘じゃないはずだ。観月さんは嘘はつかない。ただ、すべてを明かさないことで人を欺くことがあるのも、俺は知ってる。
 
 
 

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